電力10社 省エネランキングで上位評価を獲得
電力10社は、経産省エネ庁が本格運用を開始した「省エネコミュニケーション・ランキング制度」で、上位ランクとなる星5つ、星4つの評価を得た。同制度は、電力・ガス会社などのエネルギー小売り事業者による、省エネルギーに関する一般消費者向けの情報提供や、サービスの充実度を調査し、その実施状況を毎年度評価・公表することで、事業者の取り組みを促すと共に、提供された省エネ情報を元に、一般消費者が一層の省エネに取り組むことを目的として導入された。評価結果は、前年同月比、世帯間の平均エネルギー使用量比較などの実施状況に基づき、事業者を星1から星5の5段階にランク分けして、各ランクの平均得点率などと共に公表する仕組みで、同庁はこのほど、同制度の本格運用で初めてとなる評価結果を発表した。
同ランキングに向けた調査は、今年5~8月にかけて、家庭へのエネルギー供給実績のある小売り事業者を対象に実施され、電気の小売り事業者136者、都市ガス41者、LPガス6者が報告様式を提出。このうち電気の小売りでは、東北、東京(東電エナジーパートナー)、中部(中部電ミライズ)、関西、中国、四国、九州、沖縄―の8電力が最高ランクの星5つ、北海道、北陸両電力が星4つの上位評価を獲得。同10社を含めて星5、星4の評価を得たのはそれぞれ21者、6者で、両ランクの上位評価は全体の20%弱に留まり、星1とランク外が計72者と過半を占めた。
同制度の上位評価事業者に関しては、具体的な取り組み内容が併せて公表されており、今夏の節電キャンペーンとして10社は、〇北海道電=下げデマンドレスポンス(DR)の協力に対しインセンティブを進呈、〇東北電=7~10月分の電気使用量を前年同月比で5%以上削減した場合に、抽選でポイントを進呈、〇東電EP=下げDRへの協力や省エネ行動宣言でポイント還元、〇中部電ミライズ=「家族のじかん応援PJ」「NACHARGE」への参加・節電協力でのポイント進呈、〇北陸電=需給見通しに応じて節電を呼びかけ、節電できた消費者の料金を割り引くメニューを提供、〇関西電=指定した時間の節電量に応じて「はぴeポイント」を進呈、〇中国電=対前年比で3%以上の節電を達成した場合に抽選でポイント進呈、〇四国電=前年同月の「1日あたり使用量」から3%以上削減した場合に抽選でポイント進呈、〇九州電=経済的インセンティブ付与型(低圧のみ)・行動誘発型(高圧低圧)を実施、〇沖縄電=前年同月より3%以上削減した場合に抽選でポイントを進呈―などのサービスを推進。厳しい電力需給が見通される今冬においても、10社をはじめとした小売り事業者による、節電に向けた取り組みが期待されている。