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エネ庁 地層処分WG再開し文献調査評価を議論

 経産省エネ庁は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた、文献調査に対する評価について議論するため、原子力小委員会地層処分技術WGを5年ぶりに再開する考えを示した。文献調査の進め方に関して、これまでに実施した同委放射性廃棄物WGでの議論を踏まえて、原子力発電環境整備機構(NUMO)が、同調査結果をどのように評価するのか―を整理した「文献調査段階の評価の考え方(案)」を示した上で、同案を技術的・専門的な観点から議論する方向性を提示。同議論の場として、地層処分地選定の際の特性・分布状況をまとめた「科学的特性マップ」の策定時に審議を行った、地層処分技術WGの再開を提案した。
 同WGの再開にあたっては、放射性廃棄物WGの技術系の専門家に加えて、日本地震学会、日本地質学会といった関係学会からの推薦・紹介、科学的特性マップの策定などこれまでの議論に精通した専門家を委員に迎え、議論状況についても、放射性廃棄物WGと随時共有するなど連携を図る。地層処分技術WGは13~14年に、地層処分のサイト選定において回避が必要な事象の抽出と、同事象の回避の考え方、15~17年には科学的特性マップの提示に向けた要件・基準などに関する審議を実施。地層処分の長期安全性を確保する上で、未だ不確実性が大きいと考えられる地質環境の科学的論拠を整理し、研究課題を明らかにすることを目的に設置しており、再開においては文研調査段階での評価といった、新たな趣旨・役割りの下で議論を進める。
 一方で、北海道寿都町と神恵内村で文献調査に取り組むNUMOは、このほど開催された放射性廃棄物WGにおいて、同調査の進捗状況を説明すると共に、今後策定する同調査段階での評価の考え方に関する骨子案を提示。最終処分法で定められた要件を、明らかに満足しない場所、満足しない可能性がある場所を特定し、それらの場所は概要調査地区の候補としないことや、地下の地質環境特性の情報が限られていることを前提として、技術的観点から検討する―などを基本に、文研調査の評価を行う考えを示した。