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IAEA 電力Gなど国内分析能力を高く評価

 海域モニタリングに関する分析機関間比較(ILC)を実施した国際原子力機関(IAEA)は、同モニタリングに参加する日本原子力研究開発機構(JAEA)、九州環境管理協会などの国内公的機関をはじめ、東北緑化環境保全、東京パワーテクノロジー(PT)、KANSOテクノスといった電力グループ企業などによる分析能力を高く評価した。同モニタリングは、原子力規制委員会が14年から、IAEAと共同で福島第一原子力近傍の海洋試料を採取し、委託により分析を実施。その結果をIAEAが比較評価しており、IAEAはこのほど、21年に実施したILCの結果を公表し、同モニタリングに参加した日本の分析機関が、高い正確性と能力を有している―と評価したもの。
 21年11月に実施したモニタリングでは、海水と海底土の試料を福一の近傍で採取。魚類については、福島県で水揚げされた数種類の魚を試料として採取し、これらの試料を規制委などからの委託を受けた、東北緑化環境保全、東京PT、KANSOテクノスなどの民間事業者を含む国内10機関と、IAEA環境研究所、加えてIAEAが指定したフランス、ドイツ、韓国の機関がそれぞれ分析した。その結果についてIAEAは、参加した分析機関が通常用いている手法で各自実施した、海水、海底土、魚の試料から検出した放射性核種の分析に関しては、信頼性があり、比較可能な結果を報告していると自信をもって結論付けられる―と評価。さらに、日本の試料採取手順が、代表的な試料を採取するために必要な適切で標準的な採取手法に引き続き従っている―と指摘した上で、海域モニタリング計画の一環として参加する国内分析機関の能力を高く評価した。