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電力各社 ダム酒で地域経済の活性化に貢献

 東北電力や東京電力エナジーパートナー(EP)、北陸電力、関西電力などが、それぞれに協力する酒類提供サービスが、コロナ禍によって自宅で飲酒を楽しむ機会が増えている中で人気を集めている。このうち、グループ会社の東北電力フロンティアが、総合商社のカメイと提携して今年度より開始したクラフトビール販売サービス「おうちdeクラフト」は、東北6県と新潟県の約80ブルワリーの計600銘柄のクラフトビールを、タイプごとに選別して届けるもので、付帯サービスの「クラフトビール診断」(質問に対する購買者の回答から好みのビールタイプを推奨する)が、アルコール初心者向けに好評―という。申し込みを受け付けるウェブサイト「おいしいもの倶楽部」を運営するカメイは「幅広い層から申し込みがある上、ブルワリーの関心も高いので、クラフトビールを通じた東北・新潟を盛り上げに一役買えている」と、手応えを感じている。
 同様に、北陸、関西両電力が、国交省北陸地方整備局、富山県、県酒造組合と協力して20年から展開している「とやまダム熟成酒」(県下15の酒造会社が製造した日本酒を両社のダムに貯蔵して熟成させる)も毎年好評で、昨年は「用意した1800本が全て予約で完売した」(県酒造組合)という人気を誇る。そのため、今年の出荷分を昨年の約2倍の3780本に拡充して、来月より予約を開始する(提供は今秋中)。さらに北陸電は、富山市の桝田酒造店と協力して、自社の有峰ダム(常願寺川水系和田川)で2年間熟成させた日本酒計270本を限定販売する。20年に迎えた同ダムの完成60周年に合わせた記念企画として、ダム内の監査廊(点検用通路)で2年間にわたって貯蔵した純米大吟醸と純米原酒を各135本用意し、北電産業が運営する富山市のアーバンショップで販売する。さらに、東電EPが、自社の料金プラン「アクアエナジー100」の加入者特典として提供している、七倉ダム(信濃川水系犀川左支高瀬川)、南相木ダム(同水系南相木川)のトンネル貯蔵酒も「いずれも人気の特典となっている」(同社)という。