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東電HD・東電PG モンゴルで新たな国際貢献

 東京電力ホールディングス(HD)は6月より、東京電力パワーグリッド(PG)、東電設計と共同で、モンゴルの電力関係機関への教育研修を含む、新たな国際貢献事業を開始する。既報のように東電HDがJICAから受託し、モンゴルにおいて20年から行っている「電力系統の低・脱炭素化と安定化のための情報収集・確認調査」の集約結果に基づいて、日本の電力の技術支援によって同国に今後、新規太陽光や風力などの変動性再生可能エネルギー(VRE)設備を導入するため、モンゴルエネルギー省から要請された「再エネ導入によって生じる課題の解決と、電力系統が安定的に計画・運用されるための給電指令や送変電・配電設備運用の能力強化に向けた技術支援」を、新たなJICA事業「再生可能エネルギー導入拡大に向けた電力系統安定化プロジェクト」の名称で3社共同で行うもの。
 プロジェクトの履行期間は、6月2日~25年5月末までを予定しており、期間中、モンゴルの電力関係機関(エネルギー省、国家送電会社、中央給電指令所、ウランバートル配電会社)の各担当者に、日本の技術を供与・紹介するためのセミナーやワークショップ(4回を予定)、さらに前記4者の担当者を迎えた日本国内での研修(3回を予定)も実施して、職員の技術レベルの向上につなげる。詳細は3月23日号参照。なお、モンゴルは現在、需要の急増によって電力供給の逼迫が恒常化しており、対策として隣国のロシアから年間国内電力供給量の20%分の融通を受けるなど「ロシアに需給調整機能を全面的に依存している状況」(JICA)にある。そのため、VRE電源の導入可能量は、ロシアとの連系線容量(最大で24・5万kW)を超えない水準に抑えられており、この制限の撤廃を目指してモンゴル政府は、同容量を最大34・5万kWに拡充するための交渉をロシアと進めていたが、ウクライナへの侵攻によって交渉の先行きが見通せなくなっており、モンゴル政府は東電HDが開始する今回の支援事業に、大きな期待を寄せている。