エネ庁 来年度4回BLオークション供出任意
経産省エネ庁は、来年度のベースロード(BL)市場について、今年度と同様に旧一般電気事業者とJパワーの大規模発電事業者による供出量を任意とした上で、第4回オークションを開催する考えを示した。このほど開催された電力・ガス基本政策小委制度検討作業部会で、同市場における今年度の取り引き状況を報告すると共に、今後の同市場のあり方について提示した。同市場は、新電力によるBL電源へのアクセスを容易にすることを目的として19年に創設。国内供給力の約9割弱を占める旧一般電気事業者とJパワーが保有する、石炭、大型水力、原子力、地熱を対象としたBL電源の供出を制度的に求めることで、新電力が年間固定価格で購入することを可能とした。今年度からは、同市場を利用する小売り事業者のニーズなどを勘案し、年3回のオークションに加えて、4回目のオークションを実施。さらに、買い代金に一律3%を乗じた額を求めていた預託金の水準を、1%に引き下げる見直しを行った。
今年度7月、9月、11月に開催した計3回のオークションのうち、第3回オークションでは、計49・1億kWhと過去最高の約定量に達し、年度別約定量計65・5億kWhについても、19年度の1.4倍、20年度の2.3倍と過去最大量となった。さらに今年度初めて、1月に開催した第4回オークションでは、今年度合計約定量の7.8%、計5.1億kWhが約定。発電事業者の供出は任意としていたが、第1回の約定量3.4億kwhを上回る結果となった。約定価格については、前年度と比較して上昇傾向にあり、各回の開催時に取り引き可能な先物市場価格と比べて、第3回までは先物市場価格の年間平均値と同水準か同水準以下だったが、第4回では東日本・西日本エリア共に、BL市場価格が上回ったことが分かった。
今年度追加実施した、第4回オークションについて同庁は、売り手・買い手事業者にヒアリングを実施。その結果から、開催自体については、両者から肯定的な意見を得た一方で、売り入札量が他の回と比較して減少した要因として、時期の問題に加えて、例年と比べて相対取り引きの引き合いが強い、足下の情勢を踏まえ燃調の無い固定価格販売にリスクを感じた―などの意見が散見され、昨年度の開催決定時との違いが明らかとなった。また、売り手事業者からは、参加任意での継続を希望する声が多数挙がっており、これら両者のニーズや入札状況を踏まえて同庁は、第4回の開催を提案すると共に、今後のBL市場については、他市場や相対契約との関係も勘案し、市場全体のあり方と合わせて、継続した議論が必要―との考えを示している。