関西電、沖縄電 パプアニューギニアで共同事業
関西電力送配電とニュージェック、沖縄電力グループのシードおきなわ合同会社は、来月より、南太平洋のパプアニューギニアで、同国電力公社の職員の業務能力の向上を目指した国際研修を開始する。近年、5%を超える順調な経済成長が続く同国は、今後も電力需要の急増が予測されているが、国内におけるインフラの老朽化が著しく、電力供給の安定化が大きな社会課題になっている。そのため、同国政府の支援要請に基づき、JICAの委託を受けたニュージェックが15年に、経済の中心地となっている同国第2の都市・レイ市に電力を供給する既設系統送電線の増強を図るためのコンサル業務を実施して、同市における安定供給に協力した。これに続いてJICAが今年度より新たなに開始する国際貢献事業「電力系統計画・運用能力向上プロジェクト」は、島嶼国である同国で計画されている送電線敷設プロジェクトが着実に履行されるように、パプアニューギニア電力公社の職員の業務能力を向上させるために、実効の伴う体系的な人材育成研修のスキームを構築すると共に、送電系統計画の策定や変電所の維持管理に関する技術移転なども行う(事業の詳細は9月27日号参照)。
プロジェクト履行期間は、12月9日~24年12月9日の3年間を予定しており、関西電グループに加え、沖縄電グループが有する島嶼における豊富な知見や技術を活かして、パプアニューギニアの安定供給と経済発展に協力する。シードおきなわ合同会社は「海外事業領域の取り組みを従前以上に推進する」(沖縄電)ため、沖縄電が沖電工や沖縄エネテック、プログレッシブエナジーなどグループ5社と共同で、今年4月に設立した国際事業特化子会社。なお、海外事業における関西電と沖縄電の協業は今回が初となる。