エネ庁 昨冬需給逼迫が小売りの決算に影響
経産省エネ庁は、昨冬の需給逼迫が、電力・新電力の決算に影響したことを改めて示した。このほど開催された電力・ガス基本政策小委員会において、小売り全面自由化の進捗状況を報告すると共に、同決算影響に関する調査結果を提示。同調査では、昨冬の需給逼迫期間を含む会計期間の収支に注目し、新電力については、旧一般電気事業者の子会社も含む主要新電力のうち、販売電力量の大きい上位10社の決算公告を基に整理した。その結果、昨冬の需給逼迫などを背景に、純損益が赤字となっている新電力が10社中8社と多くを占める一方で、そうした市場環境にあっても黒字を達成した事業者が存在することが分かった。なお、昨年度小売り販売電力量の上位は、10電力を除いて①エネット、②テプコカスタマーサービス、③東京ガス、④ENEOS、⑤大阪瓦斯、⑥九電みらいエナジー、⑦KDDI、⑧F―Power、⑨SBパワー、⑩丸紅新電力―の順。
また、電力10社においても、昨冬の影響は顕著であることが判明。昨年度の有価証券報告書と決算公告によると、電力各社(みなし小売り事業者)の単体決算収支では、10社全体の純利益が計889億円となり、前年度の純利益3392億円と比べて、約▲74%の減益影響があった。東北、北陸、中国、四国の4電力は当期純損失を計上しており、同庁はこれらを背景に、各社の部門別収支(一般需要部門)においても、純損失が発生したことを指摘している。