中部電 緑のカーテンキャンペーンが30周年の節目に
中部電力が、酷暑期のピーク対策の一環として992年から展開している「緑のカーテンキャンペーン」が今夏、30回目の節目を迎える。同取り組みは、昭和から平成初期にかけてのバブル景気に伴う電力使用量の拡大に対応したもので、同対策として中部電は985年より「家電製品の省エネルギ―」についての研究を開始し、その中で、アサガオやゴーヤーなどのつる性花卉を用いた「植物すだれ」のブラインド効果がもたらすエアコンの消費電力抑制に着目。992年からは、自社施設に緑のカーテンを設け、抑制効果を多角的に検証すると共に、希望者にも無償で種を配布して、取り組みをエリア内に拡大するための「地域社会と共に進める環境コミュニケーション活動」(同社)を展開している。
以来、30年を経て、緑のカーテンは市民権を得た夏の風物詩として全国に定着。酷暑期の欠かせない省エネ、節電対策として毎年、環境省の主導で緑のカーテンの普及拡大を図る「グリーンカーテンプロジェクト」が行われている。さらに近年は「環境保全のための次世代教育」(文部省)としても位置付けられるなど、中部電が撒いた種が大きく開花している。緑のカーテンキャンペーンの30回の節目となる今夏、中部電は14日に本店の南側にある花壇に、植栽整備を担当する中電ウイングの社員が、アサガオ168株とゴーヤー120株を植えた。さらに花壇に隣接する窓には幅6m、高さ3mのネットを5つ張って、アサガオとゴーヤーのつるが巻きつけるようにした。これにより来月から9月まで、本家の緑のカーテンが、今夏のピーク対策に一役買うことになる。なお、積水ハウスが行った「日射熱エネルギーに対する遮蔽効果に関する実験」では、高性能遮蔽ガラスの遮蔽率が55%、すだれが同50~60%なのに対し、緑のカーテンは同80%と、極めて高いことが判明している。