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監視委 配電事業者の委託を行為規制の例外に

 電力・ガス取引監視等委員会は、配電事業者に対する行為規制に関して、同事業者の特徴を考慮し、一般送配電事業者とは一部異なる規制を定める。20年6月に成立・公布された「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」により、レジリエンス強化などの観点から、特定の区域において、一般送配電事業者の送電網を活用して面的な運用を行う配電事業者が、電気事業法上に新たに位置付けられた。来年度からの配電事業制度の開始に向けて、経産省エネ庁を中心に詳細設計が進められており、このうち行為規制に関して監視委は、同庁と連携し制度設計専門会合で検討に取り組む。
 改正電気事業法では、新たに導入される配電事業者についても、一般送配電事業者と同様に中立性確保が重要であることから、一般送配電事業者に対する行為規制の規定が全て準用されている。一方で同事業者は、一般送配電事業者とは異なり、〇一般送配電事業者に配電事業の一部を業務委託することがある、〇比較的小規模の事業者の参入が想定される―などの特徴があり、監視委はこれらの特徴を踏まえて、一部の規制を検討する必要性を指摘。具体的には、「業務の受委託等に関する規律」のうち業務委託に関して、適正な競争関係を阻害する恐れがないと認められる場合には、配電事業者から一般送配電事業者への業務委託は、禁止の例外とする。一般送配電事業者へ業務を委託する場合と、配電事業者において一般送配電事業者が委託を受けた業務で知り得た情報を、同業務以外の目的のために利用・提供しないことを確保するため、秘密保持契約の締結などの措置を講じている場合には、委託を認めるもの。
 また、情報の適正な管理のための体制整備に関して改正電気事業法では、①情報の適正な管理、②業務実施状況の適切な監視、③その他適正な競争関係を確保するために必要な措置―を行うための体制を整備することを義務付けている。これらの具体的な内容について省令で規定するにあたって同委は、体制整備のための費用負担が発生し、小規模な配電事業者においては適正な競争環境を確保するコストとして非効率―と判断。同体制整備のための10項目にわたる義務のうち、〇執務室の物理的隔絶、〇システムの論理的分割、〇独立した監視部門の設置―については、一定規模以上の配電事業者に限って義務付け、その対象を兼業許可基準と同じく需要家軒数5万軒とする考えを示した。