九州電 豪雨被災の熊本県人吉市の復興支援
九州電力は、昨夏の「令和２年７月豪雨」により「これまでに経験したことのない未曾有の被害を受けた」（熊本県人吉市）という同市の復興に支援・協力する。同豪雨による被災を受けて市は、２か月後の昨年９月に、復興基本方針を策定すると共に「希望ある復興を目指して～球磨川と共に創る みんなが安心して住み続けられるまち」の復興ビジョンの実現に向け、民間事業者の力を借りて、内閣府が進める国家戦略特区構想「スーパーシティ」の区域指定公募に応募する方針を決定。同計画の実現を目指して、九州電のほか、肥後銀行や豊田通商、日本電気、損保ジャパン、官民連携事業研究所など約20社・団体を連携事業者に迎えて来月より、具体的な取り組みを開始するもの。
スーパーシティ構想は、国民の生活に欠かせないエネルギーなど様々な分野の最先端サービスの提供を「業界の枠を超えた連携と規制改革によって30年頃を目標年に実現させる」（内閣府）ための特区構想で、昨年12月より同構想の実現を目指す市町村を対象にした公募の受け付けが始まった。応募を目指す市は、九州電などの連携事業者が有する豊富な知見とサービス網を利用して、復興ビジョンに掲げた、〇安心・安全な地域づくりに向けた復興、〇未来への希望につながる復興、〇市民一丸となって取り組む復興―の実現を目指す。このうち九州電は、肥後銀行と協力して、エネルギー全般に加えて自社グループが有する防災や減災、地域振興、観光関連など様々なノウハウを提供して、市が立案する「復興に資する新事業や新サービスの履行」（市企画政策部）に協力する。この後、九州電などは、市が近く開催する第１回連携事業者会議（仮称）に出席して、来年度以降の具体的取り組みについて官民で協議する。
