送配電10社 低圧スマートMの仕様変更コスト内訳
一般送配電事業者10社は、低圧スマートメーター(SM)の仕様変更によるコストについて、次世代SMの導入に向けて検討を進める、経産省エネ庁の次世代SM制度検討会に対し、その内訳を改めて示した。既報の通り、様々なユースケースに関する同検討会の議論において10社は、同SMのデータ量を現状の3倍、頻度は2倍とする「15分値」の仕様とした場合に約4000憶円、収集するデータ量は15分値ケースと同量、頻度を現状維持の6倍に増やす「5分値」の採用では、約8000憶円のコストが追加で必要となる―との試算結果を示しており、同試算の内訳として新たに、粒度頻度の細分化に伴って必要となる対応を整理した上で、それぞれの対応におけるコストを示した。
具体的には、データ量の増加に伴う計量部、通信部のメモリ容量の増強により、15分値ケースで約2300憶円、5分値ケースで3700憶円、コンセントレーターの増設などで同約500億円、同約1200憶円、ハードウェア(システム)の増強により同約1400憶円、同約3400憶円が新たに必要―と試算。このうちハードウェアに関しては、ストレージの増強、サーバー処理能力の向上が求められ、特に5分値ケースでは、システムの多重化による高可用性への対応が必要―と指摘した。さらに10社は、これらイニシャルコストに加えて10年間のランニングコストについても、設備数の増加に伴って15分値ケースで約2000憶円増、5分値ケースで約8000憶円増と見込んでおり、同検討会での議論結果を踏まえて、低圧SMの導入・維持両コストの試算を再度行う考えを示している。