エネ庁 容量市場オークションの公表情報を拡大
経産省エネ庁は、今年9月に行われた容量市場の初オークション結果を踏まえて、来年度オークションから落札電源のユニットIDや容量などを広く一般に公表することを提案した。制度の透明性を確保し、入札結果に対する事業者の理解と納得を高めるため、同省と市場管理者の電力広域的運営推進機関は、同市場の情報として約定結果やその内容について、一定の情報公表を行っている。一方で、さらなる制度の透明性を求める観点から、落札した電源、容量を広く公表してはどうか―との意見も挙がっており、これに対して同庁は、応札事業者の競争上の利益を損なうことや、市場における適切な競争を阻害する可能性への留意が必要―と指摘。その上で、英国の例を参考に同市場の電源情報として、ユニットIDなどを公表する考えを示した。
なお応札結果の開示については、小売り事業者と発電事業者が相対契約の見直し協議を行う際に、市場の落札状況を相互に確認する観点から、広域機関が小売り事業者の要請に応じて、落札結果・容量を開示することを定めており、同機関は先月末から同開示請求の受け付けを開始した。
さらに、このほど開催された制度検討作業部会において同庁は、同制度に対する関係者からの指摘、要望を受けて、維持管理コストの明確化を図る考えを提示。同コストの計算方法について「ガイドライン(GL)上、直ちに問題となるものではないが、来年度オークションに向けて、計算方法の在り方を整理し、GLなどで示すことが適当」とした電力・ガス取引監視等委員会の指摘を踏まえて、より合理的な算定方法の在り方を示した。具体的には、24年度まで電源維持するため、同年度以前に要する複数年度分の定期検査などの維持管理費用も含めて、コスト計上している事例が散見されたことを受けて、来年度のオークションでは単年度分の費用のみを計上することを「容量市場における入札GL」に明記する。加えて、事業報酬、事業税・資本割、法人税に関しては、維持管理コストに含めないことが合理的―との判断に基づき同GLで明確化。事業税の付加価値割についても同コストに含めず、収入割部分とする同コストに含める事業税は、「電源を維持することで支払うコスト×税率」で算定することを同GLに明記する。