保安官民協 スマート保安へ電力アクションP策定
経産省、電力・ガスなど官民のトップにより今年6月に設置されたスマート保安官民協議会は今日18日、電力安全部会を開催し、電力分野におけるアクションプランを策定する。官民が連携して技術革新やデジタル化、少子高齢化などの環境変化に対応した「スマート保安」を強力に推進するために設置された同協議会は、スマート保安推進への基本方針を策定すると共に、電力安全部会などの分野別部会が、同方針の下で具体的なアクションプランを示すことで、その重要性と取り組みの方向性を共有。同プランを踏まえて電力などの企業は、先進的な取り組みを促進し、同省は保安規制・制度の見直しを機動的・効果的に行うもの。
自主保安の原則の下で、設置者に対して電気工作物の技術基準への適合義務、保安規定の順守義務が課されている電力安全分野では、電力各社によるドローンやAIの活用により、保安の高度化・効率化を推進。一方で、火力における常時遠隔監視の導入、オンラインによる使用前安全管理審査規制の実施、自家用電気工作物の点検頻度など保安管理業務の高度化といった、規制の見直しが行われている。これらの取り組みを踏まえて、電力安全部会はこれまでに、同アクションプランの基本骨格を提示。デジタル技術を活用することで定期保全から予防保全にシフトさせ、20年代半ばまでに、新技術を実証・実用化フェーズまで引き上げると共に、同実用化までのプロセスを強力に後押しするスキームを確立する方向性を示した。スマート化の進捗を可視化するアウトプット指標の設定や、スマート化に必要な新たな人材育成に向けた、補助・表彰制度などのインセンティブ措置についても、同プランに盛り込む見通し。