エネ庁 廃止電源など一括検討プロセスに変更へ
経産省エネ庁は、発電設備の廃止などに伴う発電事業者の「リプレース募集」について、手続きの簡素化、送電線利用の公平性確保の両観点から見直す方針を示した。送電線の利用において、既存の発電事業者と新規の同事業者との公平性を確保するため、15年以降は空き容量の少ない送電線に接続する10万㎾以上の電源のリプレース情報に関しては、電力広域的運営推進機関が公表し、その送電線への接続を希望する他の発電事業者のリプレース募集を行っている。一方で、同募集の実施判断は、広域機関が対象電源の最大受電電力や、建設予定者の資本関係など一定の要件を事前に確認しており、これまでに確認を行った29件のうち、該当するものは1件のみであることが判明。さらに、該当しないと判断された場合は、空き容量マップによる受動的な情報公開に留まり、既存の発電事業者と新規発電事業者で情報取得に差が生じていることが分かった。
これらの課題に対して同庁は、同募集プロセスの該当性判断を見直すことで、電源の廃止などに伴い発生する連系可能量の情報を、新規の発電事業者にも取得し易くすると共に、同プロセスの手続き主体を、送電線増強の一括検討プロセスと同様に一般送配電事業者に移管し、手続きの簡素化を図る考えを、電力・ガス基本政策小委員会に示した。
具体的には、今後は「廃止等起因一括検討プロセス」として、〇発電事業者からの廃止の申込み、〇最大受電電力減少の申込み、〇一般送配電事業者が長期計画停止電源を非稼働電源として扱い―の場合において、連系可能量が10万㎾以上増加する際は、リプレースの有無に関わらず、一般送配電事業者は、既存の発電事業者が廃止などにより生じる連系可能量を活用できないように、12か月間系統容量を確保しつつ、同連系可能量を12か月間にわたって明確に情報公開。増強が必要な場合には一括検討プロセスに移行し、同プロセスの再接続検討申込み締め切り時期を、同増加連系可能量の公表から12か月経過以降とすることで、新規発電事業者の事業性判断期間を確保する。これらの見直しに向けて同庁は、来年2月にも費用負担ガイドラインを改正、同4月を目処に規程類の認可を行う考え。