環境省 高効率パワコンで直流グリッドSY開発へ
環境省は、革新的な省CO2を目指して実用化・製品化への開発を進めてきた、窒化ガリウム（Ga Ｎ）を用いた高効率パワーコンディショナーによる直流グリッドシステムの開発を支援することを決めた。Ga Ｎなどの新素材技術は、従来の素材・部材を用いた製品と比べて、大幅なCO2削減が可能であると共に、様々な分野に展開できるポテンシャルを有している―と判断。第５次環境基本計画の実現に向けて同省は、Ga Ｎの社会実装・普及展開に向けた取り組みを加速する一方で、同技術には性能評価や性能向上、コスト面での課題が依然あり、さらなる開発・実証が必要となっていることから、同素材を量産向けの実製品に実装する段階の取り組みに対する支援の強化を図る。今年度の「革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業」としてこのほど、豊田合成、名古屋大学などによる「高効率ユニバーサルパワーコンディショナーを用いた直流グリッドシステムの開発・検証」を採択したもの。
同採択事業は、高性能なGa Ｎパワー半導体を開発し、これを太陽光・ＥＶ充放電器・蓄電池・商用電力と接続可能なパワコンに適用することで、電力ロスを低減。さらにパワコン間をつなぐ直流接続装置を開発した上で、直流グリッドによる電力融通・平滑化が可能な複合型パワコンシステムの量産型開発・実用化に向けて検証を進める。近年、温暖化対策の観点から太陽光インバータ、ＥＶ・蓄電池充放電装置などの電気エネルギー変換装置と、各装置を接続し一体化させた複合型電力変換装置の普及が望まれている。一方で、これら装置の普及を加速化していくためには、さらなる高効率化、小型化や信頼性の向上を実現していくことが必要となっており、同省は同事業を通じて、装置間を送電エネルギー効率の高い直流で接続した高効率・小型・省エネ複合型パワコンシステムの開発・実用化を目指す。
