エネ総研 月例研究会でカーボンリサイクル紹介
エネルギー総合工学研究所はあさって9日、カーボンリサイクルをテーマにした、第403回月例研究会をウェブ会議システムにより開催する。CO2削減につながる技術として、年々注目度が増しているカーボンリサイクル研究を牽引する、同研究所プロジェクト試験研究部の橋崎克雄・部長が登壇し、同研究所が先月上梓した技術解説書「図解でわかるカーボンリサイクル」のアウトラインを紹介する。既報の通り同研究所は、橋崎部長をはじめ同研究所の研究者7人が共同で執筆した同書を、技術評論社から出版。同書は、機械・エネルギーシステム工学、資源・エネルギー工学、物理化学、化学工学、地球環境、水素など多岐に亘る分野の専門研究者が総力を挙げて、幅広い読者を対象にカーボンリサイクルの必要性と概念を説明。CO2実質排出ゼロを目指す上で必要なシステムと要素技術について、最新情報を織り込み、図や表を用いて分かり易く解説している。
カーボンリサイクルによる新たなエネルギーシステムを構築し、普及させるには数十年を要する見通しで、同書では50年までの限られた時間に、企業などの各専門分野や所属組織が、カーボンリサイクルの実行に向けた方向性を理解を得られるように構成。専門用語を随所で丁寧に説明しているため、興味のある章から読み始めても理解できるのも特長だ。具体的には、CO2をなぜ利用するのか―に始まり、カーボンリサイクルの仕組み、CO2を燃料や化学品の原料として利用する方法、必要な水素の製造、国際的な視点からのエネルギーシステム、国が策定したカーボンリサイクル技術ロードマップやカーボンプライシングの仕組みを示しており、橋崎部長は同研究会でこれらの内容を概説する。