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環境省 再エネデータ利活用促進へ情報基盤強化

 環境省は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、これまでに整備した関連データを拡充し、その利活用方法を検討する一連の取り組みを開始する。再エネ関連データに関しては、導入ポテンシャル調査やゾーニング基礎情報整備事業を通じて、09年度から継続的に情報基盤を整備し、導入拡大につなげている。一方で、今後増大することが見込まれている卒FIT電源の有効活用や、自立分散型エネルギーシステムの形成、バーチャル・パワープラントといった新たな再エネ市場の創出には、再エネ電源の立地と需要家設備の所在のマッチング、収益性の把握などの課題が顕在化している―と指摘。従来の再エネポテンシャルデータに加えて、これらの情報を取得するための関連データを拡充し、その利活用方法を検討・実証することで、再エネの導入拡大をはじめ、既存再エネの有効活用を促す考え。
 具体的には、FIT制度の終了後も見据え、航空画像のAI分析とスマートメーターの逆潮流情報を用いて、再エネ電源の導入実態を「網羅的、継続的、安価、簡便」に把握するための仕組みを検討した上で、モデル的に対象エリアを絞ったデータの有効性に関する検証などを実施。さらに、既設の再エネ電源やスマートメーターから得られる情報として、自治体・アグリゲーター・企業などの再エネ設備の所在・エネルギー需要・調整力といった各種データを把握し、これらを組み合わせることにより可能となる再エネの有効活用法を検討する。既設再エネ電源のデータに関しては、地域のCO2削減量の定量的評価や、再エネ設備のライフサイクル管理などの利活用方法についても検証する。
 同省は今年6月、これまでの情報基盤整備事業の成果を基に、全国・地域別の再エネ導入ポテンシャル情報や、導入にあたって配慮すべき地域情報・環境情報・防災情報を搭載したウェブサイト「再エネ情報提供システム」を開設しており、今回の検証結果を踏まえて、同システムとの将来的な連携も視野に、各種データの利活用について、持続可能な形で運営するビジネスモデル案を検討する。