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経産省 小出力再エネの事故報告を半壊以上に

 小出力規模の再生可能エネルギーにおける、電気保安の確保に向けて検討を進める経産省は、太陽光に義務付ける事故報告の範囲について、災害の認定基準とされている半壊以上の損壊を対象とする考えを示した。再エネ特措法が導入されて以降、小出力設備を中心に設置件数が増加の一途をたどっており、これらを含む再エネ設備関連の事故が発生。再エネを長期安定電源とするためには、安全の確保が不可欠となっており、同省は50㎾未満の太陽光などの小出力設備に対しても、事故報告を求める方向で検討を進めているところ。主要電気工作物の破損事故については、機能の低下や損失による運転停止または使用中止となる事故を事故報告の対象としており、これらの事故を想定して具体的な対象設備を規定。太陽光では太陽電池パネル・支持物や逆変換装置などの個別設備のほか、変圧器、負荷時電圧調整器、調相機、電力用コンデンサー、周波数変換器、整流機器、遮断機といった共通設備を対象に、太陽電池パネルの飛散・落下による死傷事故、電気火災、感電による死傷事故などの重大事故の場合に報告を義務付ける考え。
 同省はこれまでの議論において、小出力太陽光は住宅用とそれ以外の設備では設備・構造やリスクが異なることを理由に、10㎾未満の設備は事故報告の対象外とすることを提示。このほど破損事故の範囲に言及し、例えば太陽電池パネルでは20~70%以上の損壊を対象に事故報告を求める一方で、半壊未満の損壊についても、死亡事故などの重大事故の場合は報告徴収を行った上で、事故の原因究明と再発防止策を検討する考えを示した。太陽光をはじめとする小出力設備の事故報告は、改正電気事業法の施行日となる来年4月1日からの開始を予定しており、同省は設備設置者に対する十分な周知が必要―と判断。太陽光発電協会などの協力を得て、事故報告の対象となる事故事象を分かり易く解説したQ&A集を作成し、周知を図ると共に、地方自治体や損害保険会社を通じた周知についても検討する。