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エネ庁 北欧2国の地層処分事業をシリーズで紹介

 経産省エネ庁は、高レベル放射性廃棄物の最終処分事業への理解向上に向けて、ホームページ上に設けるスペシャルコンテンツを通じた広報を強化する。専門的な事項を分かり易く解説する広報として好評の同コンテンツに「北欧の最終処分の取り組みから日本が学ぶべきもの」の内容を追加。最終処分の方法として、国際的な共通認識となっている地層処分の候補地を選定し、世界に先駆けて取り組みを進めているフィンランドとスウェーデンの北欧2か国を事例に、国内外の最終処分事業をシリーズで紹介するもの。
 同広報においてエネ庁は、既にオルオキト地域で最終処分施設の建設が開始されているフィンランドについて、事業の成功は、長期にわたる原子力産業の健全な事業活動、独立性と信頼性のある規制当局の存在に加えて、地域グループなどとの透明性のあるコミュニケーションによる信頼獲得が大きな役割を果たした―と紹介。処分地選定の直前に行われた、処分候補自治体を対象としたアンケートでは、約6割の住民が賛成を表明しており、地域での地道な理解活動が功を奏したことを強調する。一方で、フォスマルク地域を処分施設の建設予定地に、現在安全審査を実施中のスウェーデンでは、原子力事業者4社が共同出資するSKB社が最終処分事業を実施しており、同社は処分地決定までに、自社の研究施設・現場の公開、現地事務所での分かり易い情報資料の展示といった情報提供に加えて、人々が情報を入手し、意見を表明できる場を様々な形で設けたことが、処分事業への理解につながった―と指摘する。
 エネ庁はスペシャルコンテンツで現在、両国の取り組みを中心に、2回にわたって処分事業を解説しており、次回は、日本における最終処分に向けた取り組みを紹介する。
なお、日本と同様に英国、ドイツ、韓国などが現時点で地層処分の「調査段階前」にあり、カナダ、スイス、中国は「概要調査」、フランスは「精密調査」段階に入っている。