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エネ庁 原子力産業基盤強化で新技術を近く公募

 経産省エネ庁は、原子力利用の安全性・信頼性を支えている原子力産業全体の強化を図るため、今年度新たに「原子力産業基盤強化事業」として12憶円を計上し、今後5年間にわたり原子力関連機器・サービスの向上を目指した取り組みを推進する。18年7月に閣議決定されたエネルギー基本計画が、喫緊の課題として掲げる原子力の「人材・技術・産業基盤の強化」に向けて、世界トップクラスの技術力や経験・実績を有する国内プラントメーカー・サプライヤーなどによる原子力関連機器・サービスの安全性や信頼性向上につながる技術開発を支援。さらに、持続可能な原子力産業基盤の実現を目指して、複数の事業者が連携して課題の検討に取り組むことを同庁が後押しすることで、原子力のサプライチェーン全体を強化させる考えで、今年度は10件以上の新たな技術開発を採択し、対象費用の2分の1を補助する方針を固めており、近く公募を実施する。
 一方でエネ庁は、昨年度から取り組む「原子力の安全性向上を担う人材の育成事業」を、今年度は同基盤強化事業の一環として実施。技術開発、再稼働、廃炉といったあらゆる現場における人材のうち、原子力施設のメンテナンスを担う地元関連企業などの「立地地域人材育成支援型」と、電力やメーカー、自治体職員などの人材を対象とした「特定課題解決支援型」の事業について、このほど委託事業者の募集を開始した。来月9日まで応募を受け付け、立地地域人材育成事業を2件程度、特定課題解決事業は5件程度を採択する予定で、1件あたりの予算規模は1500万~1000万円とする。なおエネ庁は、昨年度の事業評価を踏まえて、特定課題解決支援型の対象事業を明確化しており、①現場技術者が持つ原子力特有の高度な技術の維持・継承、②廃止措置を担う人材の育成・確保、③過酷事故の防止とその影響低減、④次世代人材の育成―のいずれかを目的とした訓練、実習などを支援する考えを示している。