エネ庁 設備情報の調書記載事項を省令で規定
経産省エネ庁は、強靭な電力システムの構築に向けた取り組みの一環として、既存設備の計画的な更新を促すため、電気工作物の設備台帳に記載する具体的事項を提示し、省令に定める方針を示した。このほど、一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者、配電事業者に対して、電気工作物の更新と台帳保管を義務付ける制度を整備。電気工作物の設置の時期、耐用年数などの事項を記載した台帳を作成し、これを保管することを義務付けると共に、同台帳の内容を踏まえて、長期的な観点から供給区域における需要を勘案した上で、電気工作物を計画的に更新することを定めた。さらにエネ庁は、同制度改正に伴って、電気工作物の計画的な更新や、災害などの緊急時に必要な情報を、地方公共団体の要請などに応じて速やかに提供する観点から、同台帳として、設備の情報を記載した「調書」と、 設備の構成などが分かる「図面」を備えることを求める考え。
このうち設備の調書については、各社間の比較を可能とするため、電気事業会計規則を基礎として、各社の記載粒度を揃えると共に、今後必要な投資量を把握するための基礎となる情報を、品目ごとに記載することを求める。具体的には、鉄塔、鉄柱、コンクリート柱、電線、ケーブル、遮断器、開閉器、断路器、電力用蓄電器、主要変圧器、リアクター、変圧器などの高度な設備管理が期待される資産単位物品については、設備更新の投資額も多く、特に長期的な更新計画が必要と考えられるため、設置場所、設置時期、耐用年数、設備仕様、管理履歴に加えて、リスク量などを記載。このうちリスク量についてエネ庁は、管理履歴に基づいて見積もられる修繕や建て替えの優先度・要否が判断できる評価値などの記載と共に、設置場所の環境、使用履歴といった複合的な情報からの分析・評価を期待する。総収入の上限を示すレベニューキャップの申請では、長期的に更新が必要な設備量を、調書の情報に基づいて見通した上で、レベニューの算定期間に合わせて策定した、設備更新計画と設備増強計画の提出を求める考えを示した。