主な記事 詳細

過去の主な記事

エネ庁 所有から利用へ蓄電SYコスト低減を検討

 経産省エネ庁は、家庭用蓄電システムの価格低減に向けて、第三者所有スキーム(TPO/PPA)の導入を検討する。16年度から5年間の計画で実施する、バーチャルパワープラント(VPP)実証事業が来年度、最終年度を迎えることから、VPPを構成する同システムの自立的普及を確実に実現するため、さらなる価格の低減に向けた取り組みを検討するもの。同システムの自立的導入拡大に向けてエネ庁は、目標価格を設定し、同価格を下回ったシステムに対する導入支援をこれまでに実施。同支援により一定の価格低下は見られたが、さらなる価格低減に向けた工夫として、太陽光パネルで導入されている第三者所有スキームを、蓄電システムでも推進する考えを提示した。TPO/PPA事業者が、一括してシステムを大量調達することで、メーカーからの調達価格を抑制する効果を期待。蓄電システムの「所有」から「利用」へのビジネス転換により、ユーザーに対するサービスモデルの多様化を図るもの。

 家庭内におけるリチウムイオン蓄電システムは、19年度上期に国内で5万台を超える記録的な出荷台数を達成。その約9割が家庭用で、太陽光発電から生じる電力の自家消費率の向上と共に、今後、蓄電システムからの電力を集約し、供給力や調整力として活用していくことが期待されている。なおエネ庁は、VPP実証事業を通じて、小規模な発電所に相当する、5万㎾以上の蓄電池などのエネルギーリソースを、VPPとして制御する技術の確立を目指しており、来年度は社会実装を見据えた取り組みを加速する。