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「2030年に向けた電力ユーティリティの変化」

◆ 過去10年間の変化
 2020年という節目となる年の新年特集にあたり、ま
ずは世界の時価総額上位企業を振り返ることで、この10
年間の世界の変化を見てみたい。2010年における世界の
時価総額トップ5は、エクソンモービル、ペトロチャイナ、
アップル、中国商工銀行、マイクロソフトであった。一方、
直近の2019年におけるトップ5は、アップル、マイク
ロソフト、アルファベット、アマゾン、フェイスブックと
大きく様変わりしており、この10年間はデジタル・テクノ
ロジーが企業、社会構造、そして世界を大きく変貌させて
きたことを表している。電力分野は、海外・日本ともこれ
以上の大きな変化に見舞われた10年間であった。現在進ん
でいる市場自由化、脱炭素化、分散化、デジタル化の大き
なトレンドは、2010年時点でいずれも顕在化しつつも、
いまだ大きな変化をもたらす状況にはなかった。その後、
東日本大震災後には、デジタルだけにとどまらず、これら
のトレンドすべてへの同時対応を迫られることとなった。