九州電 指宿市の「山川地熱余熱活用事業」に協力
九州電力は、自社の山川地熱(2.6万㎾)が立地する鹿児島県指宿市の要請に応え、同市が計画する新規事業「地熱の恵み活用プロジェクト(同地熱余熱利用等官民事業)」に協力する。同取り組みは、市が九州電から山川地熱内の土地(3500㎡)を借用(期間は20年以上50年未満)すると共に、余剰熱を購入(120℃の高温高圧水を1時間あたり約30t予定)して、同熱を希望する養殖・ハウス栽培事業者などに提供。さらに同事業者を集めた産業施設を同地に整備(または誘致)して「新たな地場産業集積施設として機能させることで、市内経済の活性化を目指す」(市)というもの。同構想の実現に向けて市はこのほど、市場性の可否と事業ニーズなどを検討するための「官民連携によるサウンディング型市場調査」の実施を決定。同業務を民間企業に委託して、来年3月末まで調査を行い、事業化の可能性と「民間事業者の具体的意向などを把握」(同)した上で、20年度にプロジェクトの公募条件などを決定する。
同取り組みにおいて九州電は、市に対して土地と熱を提供するだけでなく、自社グループの持つ豊富な知見と技術も供与する。なお、市が九州電から購入する熱の料金については「調査期間中に官民間で協議する」(同)という。