配電事業のコスト削減効果を託送料に反映
経産省エネ庁は、災害に強い分散型グリッドの推進に向
けて創設を検討する、配電事業者のライセンス制度につ
いて、一般送配電事業者へのインセンティブを設けた制度
設計を行う考えを示した。同制度は、ネットワーク事業者
として事業を円滑に実施可能な経理的基礎、技術的能力を
持つと共に、需要家の負担増加とならないことなどを確認
した上で、配電事業への参入を認めるもので、配電系統に
おける運用の効率化に加えて、上位系統設備のダウンサイ
ジングなどにもつながる見通し。そのため同庁は、配電事
業者の参入によるこれらのコスト削減効果を、一般送配電
事業者が配電事業者へ譲渡・貸与する配電系統のインセン
ティブとして、新たな託送料金制度下における一般送配電
事業者の効率化分として認めるなどの仕組みを提案した。
一方で、配電事業者への系統の譲渡・貸与については、
配電事業者として満たすべき基準に適合しているか―に加
えて、地域・系統の特性などを勘案した上で、一般送配電
事業者が判断することになるが、仮に配電事業者が廃業し、
同事業者によるメンテナンスが不適切であった場合に関し
て同庁は、原状回復のための費用が、当該エリア以外の需
要家の負担になる可能性を指摘。そのため一般送配電事業
者と同様に、配電事業者に対しても電気工作物の技術基準
への適合維持を義務付ける考えを提示。また、一般送配電
事業者と同様に作成する、設備更新計画に基づいた設備の
適切な更新を国が確認するほか、貸与した系統が適切にメ
ンテナンスされているか―といった懸念がある場合には、
一般送配電事業者がメンテナンス状況を定期的に確認する
などの仕組みを設けて、一般送配電事業者と配電事業者間
の契約・引継計画の中で、個別に定めることを提案した。
endwhile; ?>