九州電 独RWEと協力して洋上風力事業に注力
九州電力は、欧州の大手総合エネルギー企業である独RWE(本社・エッセン市)と協力し、日本において洋上風力の新規開発に注力する。九州電が、自社グループの中期経営方針に掲げる財務目標「再生可能エネルギー事業に、17~21年度累計の成長投資850億円を目指す」の一環となる取り組みで、独を中心に英、オランダ、チェコなどで幅広い事業展開を行うRWEの豊富な知見と技術を活かすため、子会社の九電みらいエナジーを担務会社に、九電みらいと、設備容量で世界第2位の洋上風力事業者であるRWE子会社のRWEリニューワブルスが事業提携し、両社が東京都内に新たに設ける事務所を拠点に今後、国内外の様々な企業と協力して、九州圏を中心とした全国で新規洋上風力の建設や運営、総合コンサルなどを行う考えだ。
既報のように九電みらいは今年4月、同じく独の総合エネルギー事業者であるE.ON(本社・同)と、日本における着床式洋上風力事業の共同検討を行うための協力協定を締結しているが、今回の協力先となるRWEとE.ONは、18年3月に「両社間で再エネ部門に関する事業交換・資産交換を行う取り決め」(E.ON)を決定。これにより、E.ONとRWE子会社のイノジー社の再エネ関連事業がRWEに、同じく、イノジー社の再エネ関連事業を除く全事業がE.ON社に、それぞれ今年12月末(予定)までに継承されることになり、九電みらいがこのほど提携したRWEリニューワブルスは、両社の事業・資産交換によって今月発足したばかりの新会社。九電みらいは今年5月より、NEDOや丸紅、日立造船などと、福岡県北九州市沖の響灘に設けた浮体式洋上風力(3000㎾)で、同事業のスキーム確立を目指した実証運転を行っており(終了は22年3月末を予定)、同実証で得られる知見や成果なども活かしながら、今年4月の再エネ海域利用法の施行により今後、需要の拡大が期待できる洋上風力の新規事業化を目指す。
なお、RWEとは、東京ガスも昨年11月、RWEのトレーディング事業子会社である、RWEサプライアンドトレーディングと「相互協力に関する協定」を締結して、LNG調達などを中心とした様々な分野で事業協力をしている。