エネ庁 ポストFITでアグリゲーターの重要性
経産省エネ庁は、再生可能エネルギーの主力電源化や将来の自立化を見据えて、ポストFIT制度の仕組みを検討する中で、アグリゲーターの重要性を指摘する。競争電源と位置付ける太陽光、風力などの再エネを、他の電源と同様に市場で取り引きする仕組みを目指して、○kWh価値の取引、○インバランス、○環境価値―の観点から、環境を整備する考えで、これらの観点において、アグリゲーターを介したビジネスの拡大に伴う措置を検討する。具体的には、今後は再エネ事業者も行うことになる、kWh価値の市場取引では、自らによる卸市場取引、相対取引と並んで、アグリゲーターを介した卸市場取引を想定する。kWh価値の取引における、卸電力市場の取引単位などを巡って今後、中小規模の再エネ電源を束ねるニーズが向上。発電計画作成やインバランス抑制のために必要な予測技術、出力調整に対して、高度な技術と多電源を持ち合わせたアグリゲーターが、効率的に対応することを期待する。そのためエネ庁は、電気事業法上でアグリゲーターを位置付ける必要性についても現在、検討しており、卸市場取引が困難な小規模事業者が、アグリゲーターの倒産で突然、買い手を失うなどの場合に備えた、特別措置についても検討が求められている。
また、FIT制度で特例が設けられているインバランスに関しては、アグリゲーターが多くの地域の自然変動型再エネをまとめることで、個々の事業者による発電予測を代替したり、局所的天候変化の発生時にインバランス負担をならす効果を期待。さらに同省は、アグリゲーターが再エネと火力を併せ持つことで、発電計画に沿った出力調整がし易くなると共に、アグリゲーターの専門的なノウハウによる、時間前市場などを活用した多くのkWh価値の市場取引を見込んでおり、効率的なインバランス抑制につながる予測技術や、アグリゲーターといった事業環境整備を進めることが、再エネの市場統合に向けて重要―と指摘する。