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経産、国交省 洋上風力接続の承継で諸費用考慮

 経産、国交両省は、洋上風力など海洋再生可能エネルギーの整備に関して定めた再エネ海域利用法に基づく、系統接続の承継について、750万円を上限とする諸経費などの費用を考慮し、承継が公平な条件に基づいて行われることを担保する考えを示した。今年4月に施行された再エネ海域利用法は、国が促進区域を指定し、公募によって同区域内の海域を最大30年間占用する事業者を選定する制度を確立。これを受けて両省の合同会議は、これまでに同法の運用に関する基本方針、促進区域の指定基準、占用応募の実施方法、事業者選定のための審査・評価手法などに関する基本的な考え方を提示しており、促進区域の指定にあたっては、国が地域の風量・海象などを考慮して望ましい容量を決定し、同容量を「プッシュ型」で予め確保することが可能な仕組みへ、将来的に移行する方向で検討を進める。
 一方で、当初の運用では、事業者が一般送配電事業者と接続契約を既に締結しているか、系統接続を確保できる蓋然性が高いことを事業者公募の条件とする方針を提示。さらに、他の事業者が選定された場合に、系統容量を確保している事業者が、同容量を承継することを希望している場合に、系統接続の見込みがあると判断する。同承継に関して合同会議は、①承継の対象とすべき資産などの範囲、②系統接続契約に関する承継の具体的条件、③複数の事業者が系統を確保している場合の取り扱い―といった観点から検討。このうち承継の具体的要件を検討する上で考慮すべき費用として、○送配電事業者に対する直接的支出、○内部人件費、外注費などの諸経費、○これらの費用を運用できなかったことによる逸失利益―を上げ、直接的支出については、その全額を承継価格に含める見通しを示した。
 また諸経費に関しては、事業者における実態などを踏まえて、工事費負担金の1%を付加するのが適当―と判断。一部の委員から、内部人件費や外注費は規模に比例して増加するわけではないため、一定の上限を設定することが必要―との指摘を受けて、諸経費相当額の実態を踏まえ、促進区域ごとに750万円を上限とする方針を示したもの。