九州電 指宿市の官民地熱開発で共同事業者刷新
九州電力が、鹿児島県指宿市と協力し、15年から計画を進めている新規地熱開発事業「『地熱の恵み』活用プロジェクト」の協力企業が、このほど刷新されることになった。既報のように同プロジェクトは、市が所有する温泉施設と老人福祉センターの両敷地内に蒸気井を整備し、九州電とスポーツクラブ運営のセイカスポーツセンター(鹿児島市)が建設する発電設備に蒸気を供給すると共に、余った熱水を農業や観光に活用して地域経済の振興につなげる―という市立案の官民共同スキームによる事業構想。計画推進に向けて3者は15年、同プロジェクトに関する協力協定を締結し、JOGMECの支援(助成金)を得て、初年度に地表調査を行う予定だったが、温泉旅館業者の反対運動などの影響で、助成金が受けられなくなったため「電磁探査を実施した段階で、事業を一時ペンディングしていた」(市)。
さらに、共同事業者のセイカスポーツセンターが先月「運動施設の指定管理業務などの本業に集中したい」として、前記協定からの離脱を申し出たことから、市と九州電が協議して「経営上の判断なのでやむを得ない」と判断し、同社の申し出を受け入れると共に「市民の想いがこもったプロジェクトなので、再スタートすることが市の使命」(佐藤寛・副市長)と、事業継続を改めて確認。そのため、前記の3者協定を一旦白紙にした上で、今月13日より、新たな事業協力企業の公募を開始したもの。市は、7月上旬を目処に新事業者を決定した上で、再度JOGMECに助成金を申請して、同プロジェクトの早期実現を目指す考えだ。