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監視委 17年収支評価で送電線など調達単価分析

 電力・ガス取引監視等委員会は、17年度一般送配電事業者の収支状況などの事後評価に際して分析した、調達単価と工事費負担金工事の内容を明らかにした。同評価にあたっては、一般送配電事業者に情報提供を求め、物品費と工事費を含めた単位あたりコストについて分析。このうち調達単価の比較分析では、代表的な設備として送電鉄塔、架空送電線、地中ケーブル、鉄筋コンクリート柱を対象に、立地場所や設備のスペックなど事業者側では制御困難な工事の個別性を考慮して行った。その結果、鉄塔の単位あたりコストは中部電力、架空送電線では東北、沖縄両電力が他社よりも割高な単価となっている可能性を指摘。鉄筋コンクリート柱は、「東日本大震災後、震災対応のため調達先に比較的低水準で発注していた調達単価を、施工力確保の観点から市況の水準に合わせて引き上げた」(東北電)、「高経年化対策工事が増加し、都市部における工事が増加した」(北陸電)などの要因から、全社共に単位あたりコストが上昇傾向にあり、過去5年間の平均コストと各年度の平均コストの最大値・最小値の比較では、全社平均に比べて中部電が高く、北海道、四国電力は低いことが分った。
 一方で、新たに発電設備を設置しようとする者が系統連系する際に負担する工事費負担金の比較では、10社平均で鉄塔の工事費負担金工事の方が、それ以外の系統拡充・更新工事よりも安く、架空送電線については、工事費負担金工事の方が高い傾向にあることが分った。その主な要因として、工事費負担金工事の場合は、1回線鉄塔の割合や送電線のkmあたりコストに占める固定費の割合が高いことなどが考えられ、必ずしも工事費負担金工事かどうかで、顕著な差は生じていない可能性が示唆された。これらの結果を踏まえて監視委は、コスト削減余地などの議論が今後深まることを期待すると共に、一般送配電事業者に対しては、同分析も参考に調達コスト削減に取り組むことを求めた。