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四国電 出資するEVベンチャーがタイで業務拡大

 四国電力が出資するEV(電気自動車)ベンチャーのFOMM(神奈川県)が、タイにおいて事業を強化・拡大している。13年創業の同社は、翌14年に世界最小の4人乗りEVを開発したことで知られており、四国電は昨年10月、同社に3億円を出資(これにより資本金は24億円に)して「EV、車載蓄電池に関する知見獲得やパートナーとしての関係構築による新ビジネスの展開」(同社)を進めている。こうした取り組みの一環としてFOMMはこのほど、タイの石炭開発大手であるバンプー社から2000万米㌦(約20億円)の出資を受け、今後同国において、両社共同でスマートエナジー・ソリューション事業を展開する方針を明らかにした。具体的には、FOMMがバンプーの担務部門となる「バンプー・イノベーション&ベンチャーズ」と提携して、EVやバッテリー、充電スタンドに加え、四国電グループが有するマイクログリッドやVPP分野の豊富な知見や技術を活用した研究開発を、日タイ共同で行う。

 さらにFOMMは、バンプーが47・68%出資するシンガポールのデュラパワー・テクノロジー社が開発・製造するリチウムイオン電池を採用した自社開発の小型EV「FOMM ONE」を、今月中を目処にタイで量産する。四国電は、20年度を達成年度とする中期経営計画で「新規事業の創出・育成に注力する」方針を打ち出しており、同方針に沿ってベンチャーへの投資を今年度から加速しており、FOMMのほか、Zenmu Tech(情報セキュリティ技術の開発・販売、東京都)、未来機械(太陽光パネル用清掃ロボットの開発・販売、岡山県)、LEシステム(蓄電池用電解液の開発・販売、福岡県)にそれぞれ2億円を出資して、新市場の創出と事業領域の拡大を図っている。