JICA 電発の調査を基にインドで新規揚水建設
電源開発が、既報のように昨年夏より、インドで第4位の人口(約9000万人)を擁する西ベンガル州で行っていたトゥルガ揚水(出力未定)の新設に向けた準備調査の集約結果を基に、JICAはこのほどインド政府との間で「トゥルガ揚水発電所建設事業(第1期)」を対象とした294・42億円を限度とする円借款(一般アンタイド)供与契約を締結した。同事業は、インド政府が同州内の経済の中心であるプルリア郡に可変速設備を備えた最新式の揚水発電所を建設するもので、電発は現地に社員を派遣して1年間にわたり、同事業の必要性確認に加え、自社を含めた日本の電力の保有技術の活用可能性に関する検討やメーカーへのヒアリングのほか、インドの電力関係者を迎えた日本での揚水発電事業に関するセミナーなどを行って、国際貢献事業となる同プロジェクトの実現に協力した。
今回の円借款供与契約を受けてJICAは、同事業の着実な履行を目指して今後、実施主体となる西ベンガル州配電公社を支援する。第一弾として、年明け早々の1月を目処に、トゥルガ揚水の詳細設計などを含むコンサルサービスの招請を行った上で、国際競争入札となる本体工事の調達パッケージ(水門・鉄管工事)を、20年9月に公示する。完工は27年5月の予定。なお、インドでは、東京電力ホールディングスと東電パワーグリッド、東電設計が、同国北東部のメガラヤ州にインド政府が建設を計画するウミアム第3水力(6万㎾)の事業化を検証するための準備調査を、昨夏~今年2月まで行っており、現在、3社がまとめた集約結果を基にJICAが、同水力の整備工事を日本の有償資金協力事業として実施するための審査を行っている。