エネ庁 LNG市場戦略の深化へ対応策を整理
経産省エネ庁は、16年5月の「LNG市場戦略」策定以降における、市場環境の変化を踏まえた今後の対応策を整理した。LNG市場を巡っては、中国需要の急増に伴って、アジアスポット価格が18年1月に百万BTUあたり12㌦と、一時2倍に上昇。同変化を受けてエネ庁は、「市場の厚み」を向上させると共に、市場ヘッジ機能の充実に向けた対応の必要性を示した。具体的には、仕向け地制限撤廃に向けたさらなる取り組みを、国際連携の下で推進。取り引き活性化のためのデータ収集・開示を充実させるほか、ヘッジ機能の充実・利用促進のための方策検討や、欧州市場との連結、国内流通網の強靭化・効率化を目指す考え。さらに、20年代中盤を想定していた需給バランスのタイト化が、20年代前半にも前倒しされる見通しであることから、○上流投資の促進に向けた資源外交の強化、○需給のミスマッチ解消のための産消連携推進、○パナマ運河などにおける供給確保のための制約の除去―などの対応策を加速する。また、アジアにおける中下流への資源ファイナンスの拡充や人材育成をはじめ、国ごと、プロジェクトごとの課題を明確化させることで、アジアでの転売先を確保し、「中国に買い負けない引き取り規模の維持」(同庁)を図る。
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